秋の気配が僅かに

  07, 2010 21:11

感じられませんか?
今年の夏は暑いと皆さん言いますし、もちろん暑いですが
夏はいつもこんな感じじゃなかったか、と思っているのは
私だけみたいですね。
暑いか寒いか、と、どんぶり勘定なのです、きっと。

はてさて。

やっと湊かなえさんの
夜行観覧車
を読みました。

湊さんの小説を読んでいるとなんだかチクチクと良心が痛む。
人の触れられたくないデリケートな部分を
のぞき見するようで
週刊誌を読むような罪悪感。

今回の作品はさらにその感覚が強くて、自分が嫌になる。
だって、人の私生活に土足で踏み込む感覚を持ちながら
面白い!と感じてしまうのだから。

でも。

いつもながら、一つの事件を多角的な心理描写で描くあのやり方は
どうしたって作者の大きな人間性を感じてしまうのです。
登場人物みんながみんな、それぞれの自己中心的なナルシズムを主張して
思いがすれ違う様にイライラしつつも
これが人間関係のリアルだなぁと痛く、感じ入ってしまうのは
やはり、登場人物一人一人に真摯に向き合って、繊細に描いているから
だろうと。

決して愛すべき登場人物達ではない。
なのについつい引き込まれてしまうのは、そんな登場人物たちを湊さんは
大きく受け止めているからなんじゃないかと。
そしてどうしたって私の中にある彼等の要素に呼応し
許されるような錯覚を起こしてしまうからなのだ。
きっと。

などとクドクド書くのはよろしくないね。

残酷だけど、人に優しくなれるはずの小説です。
オススメ。
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